場所が変われば世界が変わるとはよく言ったもので、同性同士の恋愛に対する考えは国によって天と地ほど変わります。
日本では多くの人が同性愛者の存在を受け入れている印象がありますが、結婚の法律化には否定的な意見も見受けられ、まだまだ同性婚への道のりは長いように感じます。
海外では異性間同等の同性婚が認められている国も多くある一方、なんと犯罪者扱いされ非常に重い罰を受けることもあるのです。
当事者にとって渡航国選びは日常生活だけでなく、命にもかかわるかもしれない大事な選択になります。
そこで今回の記事では、日本人在留者が多い国20ヶ国をピックアップし、世界の同性婚・LGBT事情をまとめてみました!
※2024年現在、状況が変わった国があるので一部加筆しています。
世界20ヶ国の同性愛&同性婚事情
異性結婚同等の同性婚が出来る国
アメリカ
アメリカでは2015年に最高裁の決定により全州での同性婚が認められました。
ハリウッドスターなどもカミングアウトしている人が多く、比較的同性愛が認められている社会です。
しかし同性愛に限らず人種や宗教による差別、争いが多い国でもあります。
LGBTに対する強い嫌悪感を持っている人も一定数いますので、言動行動は注意した方が良いでしょう。
LGBTの人が殺されたりする事件も起きているんだって!!
オーストラリア
オーストラリアの同性婚が認められたのは割と最近で、2017年のことになります。
しかしシドニーやメルボルンなどの都会は、街中でイチャついて歩く同性カップルも普通にみられ、広く受け要られている雰囲気があります。
毎年2~3月頃にシドニーで行われるゲイパレードは、世界最大規模とも言われています。
カナダ
カナダでは世界の中でもかなり早い段階で同性婚が認められました。
国民のLGBTに対する偏見もほとんどありません。
しかもカナダ居住者でなくても婚姻を認めている為、日本人を含め多くの同性カップルがカナダに結婚をしに殺到したと言われています。
カナダで発行された婚姻証明書は、日本では無効なのでご注意を。
イギリス
イギリスは世界でもトップレベルにLGBTフレンドリーな国として有名です。
私はイギリスに長く住んでいましたが、大都市ではゲイに対する差別的な意見もほとんどないように感じました。
2014年より同性婚が認められています。
小規模のハウスパーティーに1人や2人のゲイがいるのが普通だったし、みんな全く気にしている感じはなかったな。
ブラジル
2011年から同性婚が認められているブラジルですが、カトリック教徒が多く強い嫌悪感を持つ人も多くいます。
なんと1日に約1人のペースで同性愛者が殺されたり自殺して亡くなっているようです。
元々犯罪率が高いというのもあるんだけどね。
ドイツ
同性婚が広く認められているヨーロッパの中では遅く2017年に法律化されました。
堅苦しいイメージのあるドイツですが、法律内での自由と権利はとても尊重します。
ヘイトや差別も少なく、世界の中でもLGBTにとっては暮らしやすい国の1つです。
フランス
フランスでは2013年に法律化されましたが、法律可決後の騒動はまだ記憶に新しいです。
反対派が度々大規模なデモを起こし、合法化への抗議で自殺者まで現れました。
近年は同性婚に対する抗議活動は沈静化していますが、今でも反対派も少なくないのが実情です。
台湾
台湾は2019年アジアで初めて同性婚が認められた国として世界中で注目を浴びました。
ゲイパレードも20万人規模と大いに盛り上がっています。
とは言え、もともとのカルチャー的な部分もあり、当事者の関係をオープンにしている人は多くない印象があります。
私は台湾人の友人が多いけど、数か月たった後に「実は・・・」と話されることが多かった。
「お前もか!」とツッコミたいくらいの割合でLGBTがいる印象です。
ニュージーランド
ニュージーランドはオーストラリア同様、多様性に寛容でLGBTにも住みやすい国です。
2013年に同性婚が成立した際のモーリス・ウィリアムソン議員、「同性婚の法律が可決し
ても明日の太陽は昇る。恐れるな。」というスピーチが世界中から賞賛されました。
メキシコ
メキシコは2020年現在、とても中途半端な状況になっています。
メキシコシティなど 一部の州では養子縁組も含め同性婚が合法化され、一方、一部の地域では認められていません。
LGBTをターゲットにした殺人事件も起きています。
※追記※2022年、全ての州で同性婚が認められ、法制化されたようです。
アルゼンチン
2010年に同性婚が承認されました。
基本的にはLGBTフレンドリーな国ですが、一部では差別的なルールや行動が問題化しています。
パートナーシップがある国
タイ
タイというとトランスジェンダー女性(元男性)のイメージが強く、同性愛には寛容なイメージがありますが現時点ではパートナーシップ制度に留まっているようです。
台湾に次ぐアジア2番目の同性婚承認国候補として世界から注目されています。
※追記※政府での本格的な審議が始まっており、高い可能性で同性婚が成立する見込みです。
イタリア
2016年にパートナーシップ制度にあたるシビルユニオン法が可決されましたが、同性カップルによる養子縁組の引き受けが認められないなどまだ課題は残ります。
敬虔なキリスト教徒が多いイタリアでは、否定的な意見もまだまだ多いのが現状です。
※追記※ローマ教皇が同性婚の祝福を認めるなど、ポジティブな動きが出始めています。イタリアで同性婚が成立するのも時間の問題かもしれません。
日本はまだまだ動きがないね。
法律はないがLGBTフレンドリーと言える国
中国
中国本土には現在同性婚や同性カップルの権利を認める法律はありません。
でも同性カップルが住みにくいというほど差別があるわけではなく、少しずつですが受け入れられてきているようです。
フィリピン
フィリピンでもたびたび同性婚やパートナーシップについての議論がされてきましたが、未だに合法には至っていません。
カミングアウトしやすい国とは言えませんが、大きな差別意識がある感じでもありません。
LGBTが住みにくい国
韓国
韓国では同性愛を禁止する法律はありませんが、宗教的背景や社会的思想から、同性愛にはかなり不寛容な国です。
攻撃的なトラブルに発展することは稀ですが、あからさまに嫌悪感を出されることは多いようです。
シンガポール
シンガポールでは男性同士の性行為が違法とされています。
また同性愛者は軍の中でも精神病のような扱いをされ、権限や活動を制限されることがあるようです。
マレーシア
マレーシアには敬虔なイスラム教徒が多く、同性愛は固く禁じられています。
性行為をしようとしていた女性2名が捕まり、つえ打ちの刑を受けたという衝撃ニュースは、つい数年前のことです。
最長で禁固20年という重刑を受ける可能性もあります。
外国人旅行者であるカップルでも、公共の場は注意した方が良さそうです。
ただ最近はプライベート団体や個人の間では同性愛に寛容な動きも出始めているようです。
仏教がメインの中華系マレーシア人は比較的寛容なんだって!
ベトナム
儒教の影響を受けているベトナムでは、まだ同性愛に対する否定的な意見の方が目立ちます。
現在では同性愛を規制する法律は廃止されましたが、同性婚などの権利を整えるにはまだまだ時間がかかりそうです。
インドネシア
国民の大半がイスラム教徒のインドネシアもまた、LGBTに非常に不寛容な国です。
公開むち打ちの刑も行われるほど厳しい地域も存在します。
一方で、仏教徒が大半を占めるバリ島などは、LGBTに寛容だったりもします。
世界の同性婚・LGBT事情まとめ
同性婚に関する法整備はヨーロッパに対してアジアが圧倒的に遅れている状況です。
またイスラム教やキリスト教など、その国の宗教も法律に大きく影響しています。
同性婚が出来る国でも、全ての国民に受け入れられているわけではないのは頭に入れておく必要はあります。
反対派、肯定派それぞれの意見があるとは思いますが、私はモーリス・ウィリアムソン議員のスピーチに賛成です。
同性婚が出来ても出来なくても非当事者の日常は変わらないはずので、日本でも合法化されて多くの人が救われるといいなと思います。
だんご(無性別)とまるさんが結婚出来る法律も作って欲しいよね。