西ヨーロッパの中心に位置するフランスは、国内はもちろんヨーロッパ内の移動も簡単です。
この記事ではフランス国内および隣国への移動手段や、パリ近郊の移動に便利な交通パスNAVIGO(ナヴィゴ)について解説します。
フランスの交通手段の種類
フランスは交通網が発達されており、国内移動も近隣の国への移動もとても便利です。
フランスの主な交通手段は以下のようなものがあります。
電車
地下鉄
パリ市内にはメトロが走っています。
メトロは2024年現在14路線あり、パリ中心部はほぼメトロでカバーされています。
料金はパリ市内はゾーン1とされていて、一律2.1€です。
90分以内であればメトロ間での乗り換えや、メトロとバスの乗り継ぎが可能です。
後述のNAVIGOと呼ばれる便利な交通パスに回数券をチャージすることもできます。
終電は12時過ぎ頃です。
鉄道(RER)
パリから郊外に出るのに便利なのがRER。
AからEまで全部で5路線あり、パリ中心部からディズニーランド、ヴェルサイユ宮殿、シャルルドゴール空港などに繋がっています。
料金はゾーンによって異なりますが、2024年現在一番高いZone1(パリ市内)からZone5(ディズニーランド)で片道5€となっています。
終電は1時頃です。
RER(エール・ウー・エール)って発音めちゃ難しい!
高速列車
フランス国内および近隣の国々にも電車で行けます。
TGVとは新幹線のようなもので、一部路線はベルギー、ドイツ、イタリアといった隣国へ繋がっています。
フランス国内であれば、一番遠いエリアでもおおよそ3時間で移動できます。
タリスはフランス・ベルギー・オランダ・ドイツの4カ国を結ぶ国際列車です。
パリからブリュッセルへ1時間半、アムステルダムへ3時間ちょっとで到達可能です。
ユーロスターはイギリスとヨーロッパを繋ぐ新幹線です。
パリ~ロンドン間をなんと2時間半で移動できます。
途中にアムステルダムやブリュッセルを経由します。
ユーロスターを使ってパリ~ロンドン間で通勤する人もいるらしいよ。
バス
パリ市内の路線バス
パリ市内は路線バスが網羅されています。
しかしメトロがかなり便利なので、地元の人もあまりバスの利用頻度は高くありません。
深夜バスのNoctilienもありますが、中心部の主要駅を循環するだけなので、夜遊び以外にはあまり使えないかもしれません。
バス前方のドアから乗り込み、紙チケットなら時刻刻印、NAVIGOなどのパスはタッチして乗車します。
長距離バス
フランス国内および近隣諸国を結ぶ高速バスも発達しています。
メジャーなのはEuroline、FlixBus、OUIBUSなどです。
オンラインでチケットを事前購入し、当日乗車場所でオンラインチケットを見せて乗車となります。
ウェブサイトはほとんどの会社で英語対応しており、分かりやすいのであまり困ることもないでしょう。
路線や購入のタイミングにもよりますが、TGV(高速列車)の1/2~1/4程度の料金で移動できることもあり、留学生やワーホリメイカーには人気が高いです。
なお、所要時間の目安は以下です。
- パリ~リヨン 6時間
- パリ~ロンドン 8時間
- パリ~ブリュッセル 4時間
トラム
フランスではトラムも主要な交通手段として利用されています。
パリでは中心部は走っていない為、観光客はあまり目にする機会がないかも知れません。
チケットは電車やバスと共通のもので、1回2.1€です。
パリだけではなく、ボルドーやニースなど、主要都市の多くでトラムが走っています。
フランスの交通に関する問題点
フランスの名物であり、大きな欠点は交通ストライキが多すぎること。
日本人の感覚では信じられないほど頻繁に交通ストライキが発生します。
ほとんどの場合は各交通会社のホームページでスケジュールが発表されるので、大事な用があるときは事前にチェックしておきましょう。
パリの交通パスNAVIGO(ナヴィゴ)とは
NAVIGOカードの概要
フランス版SuicaのようなICカードで、パリ近郊の居住者には欠かせないアイテムになっています。
このカードでレンタサイクルVELIB’のチャージも可能です。
パリ市内のメトロの他、郊外へ出るRERやバス、トラムにも使えます。
※空港行きの特急など一部路線は使えません。
NAVIGOカードの種類
どこに住むのか?どのくらい住むのかによって、購入すべきパスの種類が変わります。
ナヴィゴ | ナヴィゴ・デクヴェート | ナヴィゴ・イージー | |
---|---|---|---|
対象者 | パリ居住者or労働者 | 地方居住者、旅行者 | 旅行者 |
購入場所 | 郵送で申請 駅の窓口 | 駅の窓口 | 駅の窓口 |
特徴 | 個人情報登録が必要 | 発行に5€かかる 顔写真が必要 1週間券や1カ月券が買える | 発行に2€かかる |
利用したい期間と利用ゾーンによって料金が変わります。
1日パスは「いくつのZONEを利用するか」を基準に料金が決められているので、中心部のみ使いたい人や郊外のみ使いたい人は同料金になります。
1週間パスや1年パスはZONE毎に料金が設定され、中心部であるZONE1が含まれる場合は料金は一番高くなります。
1日パス | 1週間パス | 1ヶ月パス | 1年パス | |
---|---|---|---|---|
料金 | 8,65 €~20,60 € | 26,80 €~30,75 € | 74,80 €~86,40 € | 822,80 €~950,40 € |
メモ | 空港行きのバスには使えない | 月~日というスパンでしか使えない | 月頭~月末というスパンでしか使えない | 居住者用ナヴィゴのみ |
※2024年1月に料金更新しました。
NAVIGOカードの買い方
カードの種類によって購入方法が異なります。
NAVIGOカードの使い方に関してはコチラのサイトに詳しく書いてあったので参考にどうぞ。
ナヴィゴ
居住者用のナヴィゴは個人情報の登録が必要です。
申請書と写真を郵送して発行してもらう、または写真と居住証明を持って駅の窓口に行く必要があります。
駅の窓口での発行は即時ですが、郵送の場合は所要時間はおよそ3週間ほどかかります。
チャージはインターネットからも可能です。
1回券はもちろん、1日乗車券から年間パスまで幅広いチケットの購入ができます。
ナヴィゴ・デクヴェート
ナヴィゴ・デクヴェートは旅行者用のカードですが、1週間乗車券や1カ月乗車券が購入できます。
居住者扱いにならない短期留学生などに最適です。
駅の窓口で購入ができますが、顔写真が必要です。
- 駅の券売機で5€のクーポンを発行してください。
- そのクーポンと顔写真を窓口に持っていき、カードを購入します。
- カードを発券機にかざして、任意の期間とゾーンを選びチャージします。
ナヴィゴ・イージー
顔写真なんて面倒くさい!
そんな人にはナヴィゴ・イージーというICパスもあります。
こちらは1週間券などは購入できませんが、1日乗車券や空港行きのバス乗車券は購入可能です。
また、10回分の回数券を紙切符よりも安く買えます。
旅行者向けのパスですが、首都圏外に住んでいてパリに数日だけ遊びにいく、という場合にも使えます。
直接窓口にいき、「ナヴィゴ・イージー、シルヴプレ」と言って2€払えばOKです。
チャージするチケット(1回券、回数券)は窓口でも券売機でもどっちでも払えます。