最初に断っておきますが、私はフィリピンが大好きです。
ですので、この記事はフィリピン留学自体を否定するものではありません。ただ、最近の「フィリピン留学」「セブ留学」の盛り上がりを見ていて違和感を感じていたので、留学エージェントが書けないフィリピン留学の真実を語りたいと思います。
この記事を読んだ上で「自分にはフィリピンが合っていそうだ」と思うのであれば、是非是非フィリピン留学を楽しんできてください。
温かく、自然が豊かで、いい国ですよ。
私は1ヶ月くらいかけてフィリピンの島々をアイランドホッピングをしたけど、島ごとに異なる特徴があって魅力的な国だったよ!
フィリピン人は英語ネイティブではない
フィリピンに語学留学に行くなら、最低限この事実だけは理解してから選ぶべきだと思います。
フィリピンに行くということは、「英語圏ではない国に英語の勉強しに行く」という意味になります。
ではフィリピンの英語がどのような感じなのか、なぜフィリピンでの語学留学が盛んなのか、具体的に説明したいと思います。
フィリピンの公用語は英語
えっ、フィリピンの公用語は英語ならネイティブじゃないってどういうこと!?
公用語なのにネイティブじゃない?と疑問を持った人もいるかと思います。
確かにフィリピンの公用語は、「タガログ語(フィリピーノ)」と「英語」になっています。
タガログ語を含む島ごとの言語が使用されていましたが、50年にもおよぶアメリカ統治時代に英語教育が広く普及したことにより英語も公用語となりました。
しかし現地人同士の会話は基本的にローカル言語です。
ローカル言語とは、マニラならタガログ語、セブならビサヤ語といった風に、地域ごとに普及している言語です。
違う島同士の人が会話をするときは、第一選択肢としてタガログ語を使います。
それで通じなければ、次の選択肢が英語です。
両方通じず会話にならないことも普通にあるそうです。
生活でどのくらい英語が使われているのか
では、日常生活の中で英語はどのくらい使われているのでしょうか。
学校の授業は英語で行われることが多いですが、フィリピン人は「英語を外国語として勉強」をしています。
日本でいう国語はタガログ語です。
学校外でも、英語を聞く機会は多くあります。
例えば映画館で上映される洋画は英語字幕がありません。
スーパーのアナウンスなどは英語、タガログ語、現地語の3か国語で行われていることが多いです。
しかし、学校へ行けず英語を学ぶ機会に恵まれなかった低所得層や中高年も多いのが、フィリピンの現状です。
特に田舎の島を旅していると、英語が話せないローカルがたくさんいることに気が付きます。
フィリピン人はどのくらい訛りが強いか?
フィリピン人の訛りの強さは、英語を学びに行く人にとって気になるポイントですね。
結論からいうと、一般的にフィリピン人の訛りはかなり強いです。
留学エージェントが出しているようなフィリピン発音に関する動画は真実味に欠けるので、一般のフィリピン人がインタビューされている動画のリンクを貼っておきます。
皆さん、なかなか大変そう!
でも、ご心配なく。
英語講師を生業としている先生たちは、もちろん発音やイントネーションにも気を使っています。
もちろん人にもよりますが、アドバンスレベルの先生もたくさんいます。
特に現地の語学学校に雇われている先生は、それなりの英語力があると思って大丈夫。
訛りもさほど気になりません。
安いオンラインコースとかだと、訛りが強い先生や、中級レベルの先生もよく見かけるよ。
フィリピン人のTOEICテストスコア
2022年のフィリピン人のTOEIC平均スコアは749点です。
どうでしょうか?
「さすが英語の国!」と思った人は少ないのでは?
TOEICのスコア=英語力の全てとは思いませんが、正直思っていたよりもかなり低いですね。
ちなみに日本は561点だったよ。
他の国のスコアが気になる人は公式サイトを見てみてね。
なぜフィリピン留学・セブ留学が流行っているのか?
英語ネイティブではないにも関わらず勢いが衰えないフィリピン留学。
その主な理由は2つあります。
1.フィリピンの国自体の魅力
フィリピンは魅力がたくさんある国です。
たとえ留学でなくても「行きたいなぁ」と思わせる要素はたくさんあります。
物価が安い、海が近い、暖かい、日本から近い。
パッと思い浮かべるだけでもこんなにいいところがあります。
そんな魅力を前面にアピールされれば「フィリピン留学したい!」となるのは、自然な流れですね。
安く行けるハワイみたいだもんね~。
2.留学エージェントの儲けが大きい
物価の安いフィリピンは、人件費も宿泊代も安いです。
英語教師をやっているフィリピン人の友人から聞いた、語学学校の相場はこんな感じです。
- 英語教師の月給は約2万円
- 宿代は小綺麗なシェアハウスなどで月3万円
だけど・・・
フィリピン留学でエージェントが求める「授業料+滞在費」の平均は月15万円前後です。
浮いたお金はエージェントや学校の儲けとなるわけです。
だから利益率の高い商品として、ガンガン宣伝をします。
それが皆さんが目にしている広告となり、新しい顧客を生み出しています。
メッチャ儲かってる~。ずるい~。
もちろん、留学へ行った人の多くが満足しているからこそ、ブームが消えないというのもあるけどね。
フィリピン留学をおすすめ出来る人
これまで話してきたようにフィリピン留学にはネガティブな側面もありますが、フィリピン留学が全ての人にオススメ出来ないかと言えばそうではありません。
むしろ目的次第ではベストチョイスかもしれません。
英語以外の目的がある人
フィリピンに行く本来の目的は別にあり、英語はオマケと言う場合はもちろん別の国を選ぶ理由はありませんね。
私もダイビングが目的でフィリピンに長期滞在していました。
学費が安いので、メインの目的を果たしつつ余った時間で気軽に勉強できるのはいいですね。
日本語が通じにくい環境に住みたい人
フィリピンは物価が安いので長期間の滞在に向いています。
日本語が通じにくい環境を作るのに、フィリピン長期滞在は1つの最適解になります。
(シンガポールやインドという声も聞こえそうですが、英語はフィリピン以上にクセがあります。そして英語語学学校の選択肢が少ないです。)
フィリピンには語学学校も多いので強制的に英語を勉強する環境も整います。
がむしゃらに勉強しなくとも、日本語が通じにくい環境に身を置くことで、ゆっくりと英語に慣れることは可能です。
日本国内にいても、外国人だらけのゲストハウスに住み込みで働いたりとか、強制的に英語環境にする方法もあるけどね!
結局、フィリピンで語学留学ってどうなの?
フィリピンにはフィリピンの良さがあり、目的によってはコスパの高い語学留学になりえます。
特に英語初心者が、自分のペースで英語に慣れるには良い環境だと思います。
ですが、「フィリピン人は英語ネイティブではない」という事実はしっかり理解したうえで渡航をすすめます。
そういう真実を全く説明もせず、フィリピン留学をゴリ推ししてくる留学エージェントには注意が必要です。
フィリピンと同じような環境下で留学費用を1/3程度に抑えられる「国内留学」という方法もあります。
詳しくは下記記事を参考にしてください。