0円留学って聞いたことがありますか?
フィリピンを中心に行われている、インターンシップを兼ねた留学スタイルです。
謳い文句は「無料で語学留学ができ、海外就労経験もできる」というものですね。
南の島で留学なら楽しそうだし、お金もかからないなら行きたいなぁ
メリットしかなさそうな0円留学ですがデメリットはないのでしょうか?
仕事上フィリピンの語学学校に精通している私が、0円留学のカラクリを徹底的に解説します!
フィリピンの0円留学とは?
0円留学とは「授業料や滞在費が無料になる」留学を指しています。
留学費用全てが0円ではありません。
実際にはフィリピンまでの渡航費、コースによってはビザ代、サポート代などが計上されます。
0円留学にはいくつかタイプがあります。
以下は代表的な2つのパターンです。
- インターンシップ型
- 国内リゾートバイト型
インターンシップ型
現地で働きながら勉強をするパターンです。
仕事の給料が出ない代わりに語学学校が無料になります。
運営会社は留学生の労働力を使って別のビジネスで利益を出すので、語学学校部分は無料に出来るという仕組みです。
仕事内容は日本人向けコールセンターや語学学校での日本人対応などが主な仕事です。
コールセンター勤務の場合は日本語しか使わず、せっかくの留学中になかなか英語を使う時間が取れないのが一つの大きなデメリットです。
渡航費以外は無料になるプランでは、平日の午前4時間勉強し午後6時間働くというのが主流のようです。
6時間も仕事したら復習なんてできなさそうだなぁ
国内リゾートバイト型
留学前に日本国内のリゾートバイトで留学資金を賄うタイプです。
要するに自分で働いてお金を貯めて留学するという至って普通の留学なのですが、一定の人にはおすすめできる理由があります。
自分でお金が貯められない人です。
友人にも「いつか留学したい」と言いながらいつまでたっても貯金が出来ない人は多いです。
こちらの0円留学スタイルはリゾートバイトで得た給料を自動的に天引きする制度になっているので、自力で貯金ができない人にはおすすめです。
またリゾートバイト中もDMM英会話を無料で受講できるのでモチベーションも維持しやすいです。
(もちろん皆さんからもらったお金の中からそういったサービスが提供されるので実際に無料というわけではないのですが・・・)
0円留学の違法性
実はこの0円留学、2016年頃に当時留学していた日本人60人ほどが逮捕される事件がありました。
逮捕理由は「無許可労働」です。
え!0円留学って違法なの?
結論からいうと0円留学そのものは違法ではありません。
ではなぜ逮捕されたのかというと、労働していた実態があったにも関わらず必要な就労許可手続きが行われていなかったことが原因でした。
ちゃんと必要な手続きが行われていれば問題はないのですが、ビザ取得費用がかかることや労働条件に制約がでることから敢えて労働許可を取らずに働かせていた学校がたくさんありました。
今はだいぶマシになったようですが、まだまだグレーなことを行っている会社もたくさんあります。
留学ビジネスに限らず、フィリピンでは違法行為は日常茶飯事です。
フィリピン留学自体はどう?
でもフィリピン留学は他の国より安いのが魅力だよね!!
人件費や物価の安いフィリピンでは、オーストラリアやイギリスに比べ半分程度の費用で留学することができます。
でも忘れないでください。
フィリピンは英語ネイティブの国ではありませんし、町中の人がみんな英語を話せるわけではありません。
更に0円留学を斡旋している学校は日本人率が高く、現地で出会う人は日本人ばかりなんてこともよくあります。
短期間で英語力を向上させるのに必要なのは徹底した英語環境です。
そういった意味ではフィリピンに留学するくらいならビザも保険も労働許可も必要ない国内留学をおすすめします。
オンライン英会話や国内の英会話教室と違い、国内留学は英語環境作りに力を入れています。
0円留学するなら?
違法労働に加担するリスク、コスパの低さ、学習環境を考えると、本気で英語を学びたい人には0円留学はおすすめしません。
ですが0円留学のコンセプトがフィットする人もいるとは思います。
例えばこんな人です。
- 1日も早く日本を出たい
- 南の島を満喫しながらダラダラ勉強したい
- フィリピン現地就職をするための準備期間として入学したい
- 英語を学んでいる日本人の仲間を作りたい
最後にはなりましたが、上記の理由等により「やっぱり0円留学したい!」という方の為に1つだけ学校をご紹介します。
0円留学最大手のAHGSさんです。
仕事の関係でフィリピンの語学学校のウワサを聞く機会が多いのですが、こちらの学校はフィリピンの中ではかなりマトモに商売をされているようです。
結論:コスパ重視ならやめよう
どんなビジネスでも収益0円では成り立ちません。
0円留学は労働対価を給料としてではなく語学レッスンとして提供している制度に過ぎません。
インターンシップ型の留学だと日本人だらけの環境で日本語を使って仕事をしている時間の方が長く、英語の実力も付きずらいです。
過去には違法労働に巻き込まれた日本人留学生が逮捕される事件も発生しました。
0円留学はリスクも考えた上で利用しましょう。
フィリピンが英語ネイティブの国ではない事や英語を伸ばしずらい環境などを考えると、決してコスパの高い留学といえないのが事実です。
無料という言葉に惑わされずに本質をしっかりと見極め、自分にとってのベストな留学スタイルを選びたいですね。