海外移住先を選ぶとき、日本人在留者数をチェックしてみるのも一つの手段です。
なぜなら日本人在留者が多い国には、就職ルートが確立されていたり、貯金が多くなくてもリタイヤメント移住がしやすい、あるいは日本人の国民性に馴染みやすい、というような明確な理由があるからです。
外務省のデータに基づいた在留日本人数の多い国をランキング形式でご紹介しています。
各国の概要と特徴もまとめたので、移住国を選ぶ時の参考にしてみてください。
在留者数でみる海外移住ランキング
日本人在留者数トップ10
1位 留学も移住もダントツ大人気のアメリカ
在留日本人数 | 約41万人 |
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留学生 | ★★★★★ |
ワーホリ | なし |
永住者 | ★★★★★ |
企業従事者 | ★★★★★ |
世界のリーダーであるアメリカは、情報も入りやすく、日本人にとっても親しみが深い海外ですよね。
語学留学はもちろん、専門学校や大学での留学も大人気です。
スポーツやカルチャーなどで、将来の夢を叶える為に留学する若者も多いです。
経済大国でもあるアメリカには世界中から企業が集まり、労働者や研究者も多く駐在しています。
経済力のある学生や、一定のスキルや経験がある人が、さらなる飛躍を求めてアメリカに移住しています。
また、在留者の割合をみると、他の国に比べて婚姻による移住も多いです。
ワーホリ制度がなく就労ビザ取得難易度が高いのがデメリットです。
2020年のコロナ問題により、更にビザ取得が困難になっていく可能性があります。
日本とは正反対ともいえる「成果主義」「自由主義」のアメリカでは、そのライフスタイルが合う人合わない人ハッキリと分かれるのが特徴です。
華々しく見えるアメリカだけど、成果主義だからこそ貧困層の生活は日本以上に厳しいという側面もあるよ。
アメリカで生活をするならば競争社会の中で生きていく覚悟が必要だね。
2位 製造工場関連の駐在員が圧倒的に多い中国
在留日本人数 | 約11万人 |
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留学生 | ★★★☆☆ |
ワーホリ | ☆☆☆☆☆ |
永住者 | ★☆☆☆☆ |
企業従事者 | ★★★★★ |
安い商品はほぼ全てMade in CHINAと言われるように、昔から製造工場の拠点として日経企業が進出していまいました。
近年はベトナムに生産拠点を移転させている企業が多く、在留日本人の数は減少気味です。
コロナショックにより世界的に中国離れが加速しており、これからも中国との関係は徐々に弱まっていくだろうと言われています。
それでもまだビジネス関係の移住が一番多く、その次に多いのが留学生という構成になっています。
中国語を生かして移住するなら、親日家が多い台湾という選択肢もあるよね。
3位 人気度の高さはアメリカを凌ぐ?オーストラリア
在留日本人数 | 約10万人 |
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留学生 | ★★★★☆ |
ワーホリ | ★★★★★ |
永住者 | ★★★★☆ |
企業従事者 | ★★☆☆☆ |
気候・治安・賃金の良さから圧倒的な人気を誇るオーストラリア。
毎年たくさんの留学生やワーホリ労働者がオーストラリア移住を夢見て旅立っています。
婚姻や就職からの永住者も年々増加しています。
しかし大量の移民を受け入れてきたオーストラリアでは、現地人の雇用問題が発生、移民の受け入れを減らす方向に動き始めました。
現在もファームワークや留学生としての受け入れには積極的ですが、永住権の付与や就労ビザのハードルは年々あがってきています。
※追記※2024年、ついに留学生の受け入れを制限する発表がありました。
4位 総合力が高いカナダ
在留日本人数 | 約7.5万人 |
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留学生 | ★★★★☆ |
ワーホリ | ★★★★☆ |
永住者 | ★★★☆☆ |
企業従事者 | ★☆☆☆☆ |
カナダは移住デメリットを探すのが難しいと感じるくらい、バランスが取れた住みやすい国です。
オーストラリア同様、語学留学やワーホリ先としても大人気ですね。
先進国の中では比較的永住権が取得しやすい国なので、永住権目的で学生からカナダ生活をスタートする人も多いようです。
唯一の欠点は寒さかなぁ・・・。
4位 物価の安さや住みやすさがウリのタイ
在留日本人数 | 約7万人 |
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留学生 | ★☆☆☆☆ |
ワーホリ | ☆☆☆☆☆ |
永住者 | ★☆☆☆☆ |
企業従事者 | ★★★★☆ |
「微笑みの国」と称される程、温厚なお国柄と物価の安さが相まって、移住希望者は年々増加中。
正式な就労ビザを取らなくても長期滞在しやすいこともあり、海外ノマドワーカー達にも人気です。
正式な永住者は決して多くないですが、ビザランを繰り返して半永住状態の人はたくさんいます。
退職後のリタイアメント移住国としても選択しやすい国の一つです。
6位 ワーホリや留学は根強い人気のイギリス
在留日本人数 | 約6.5万人 |
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留学生 | ★★★★☆ |
ワーホリ | ★★★☆☆ |
永住者 | ★★★☆☆ |
企業従事者 | ★★★☆☆ |
イギリスも英語圏の代表国として、留学生やワーホリ労働者、既婚移住者など、多くの日本人が住んでいます。
近年はブレグジットの関係で経済が悪化するだろうと言われており、元々ハードルの高かった就労ビザや永住権取得は更に難しくなるといわれています。
ワーキングホリデーは一度取得すれば2年有効という珍しい制度があるので、30歳以下であればまずはワーホリから移住の足掛かりをつかんでみるのがいいと思います。
日本人との共通点も多く、文化的にとてもおもしろいので、一度は住んでみる価値がある国です。
※追記※2024年からワーホリの受け入れ枠が6000人に増えました!これにより、抽選形式だったのが先着順でビザの取得ができるようになり、誰にでもワーホリに行けるチャンスが生まれています。
7位 歴史的につながりの強いブラジル
在留日本人数 | 約4.5万人 |
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留学生 | ☆☆☆☆☆ |
ワーホリ | ☆☆☆☆☆ |
永住者 | ★★★★☆ |
企業従事者 | ★☆☆☆☆ |
かつて日本からブラジルへ組織的移住をした歴史から、ブラジルには日系人がたくさん住んでいます。
多くはブラジル人として生活をしていますが、その親族や関係者である日本人が住んでいるケースも多く、在留日本人の永住権所持率が約90%以上と突出して高いです。
逆に日本で労働許可を取得して出稼ぎをする日系ブラジル人も多く、双方に強い関係を維持しています。
日本食や日本文化に精通していることもあり、南米諸国の中では比較的住みやすい国の一つだと言われています。
大きな懸念点としては、治安が日本よりだいぶ悪い事です。
8位 行きやすさNo1の韓国
在留日本人数 | 約4万人 |
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留学生 | ★★★★☆ |
ワーホリ | ★★★★★ |
永住者 | ★★☆☆☆ |
企業従事者 | ★★☆☆☆ |
韓流ドラマやアイドルの人気も手伝い、語学留学やワーホリ先として若者を中心に人気の国です。
日本から1番近い外国として昔から関わりが強いので、好きな人は好き、嫌いな人は嫌い、とハッキリ分かれる傾向があります。
日韓関係の悪化から、最近は移住希望者は減少気味のようです。
9位 ビザの取りやすさが評価されているドイツ
在留日本人数 | 約4万人 |
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留学生 | ★★★☆☆ |
ワーホリ | ★★★★☆ |
永住者 | ★★☆☆☆ |
企業従事者 | ★★★☆☆ |
ドイツは日系企業が多く駐在員もたくさん住んでいます。
マジメで誠実なドイツ人は日本人と相性がよく、住み心地の良さには定評があります。
就労ビザやフリーランスビザなど、労働を伴う長期滞在ビザが比較的取りやすいことも移住者が多い原因の一つです。
10位 お互いに好印象を維持するフランス
在留日本人数 | 約3.5万人 |
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留学生 | ★★★★☆ |
ワーホリ | ★★★★☆ |
永住者 | ★★☆☆☆ |
企業従事者 | ★★☆☆☆ |
昔から留学生やワーホリ労働者が多いフランスは、今でも人気健在です。
フランス人の日本への好感度も高いので、現地人の友人も作りやすい環境です。
ワーホリの倍率は少しずつ下がってきましたが、就労ビザや永住権など長期滞在ビザの取得ハードルは依然高いです。
約250万円の貯金残高と滞在場所の証明で取得できるビジタービザを1年毎に更新しながら移住する手もあります。
ビジタービザではフランス国内での就労はできないから、元々働かなくてもいいくらいの貯金を貯めるかオンラインで稼ぐ方法を見つけないとだよ。
ランキング外だけど近年人気急上昇中!
台湾(12位)
台湾の成長と共に移住人気がふつふつと上昇しています。
実際に生活費も安くご飯も美味しく優しい人達が多い台湾は、間違いなく住みやすい国の一つです。
親日家が多いのも住みやすさの要因の1つだよね。
マレーシア(13位)
マレーシアは住みやすさの観点から、近年リタイヤメント移住国として人気が出てきました。
マレーシアでは英語が通じやすいのも海外移住のハードルを下げる要因になっています。
ベトナム(15位)
中国からの工場移転により在留日本人もすごい勢いで増えています。
日本に留学・就職するベトナム人も多く、今後ますます関係を深めることになりそうです。
まとめ
以上、日本人在留者が多い海外移住国をランキングでご紹介しました。
国によって滞在方法の比率が全く異なるのが見て取れると思います。
何が目的なのか、どんな生活をしたいのかによって、選ぶべき国も取るべき手段も大きく変わります。
まずは自分にはどんな目的があり、どんな生活をしたいのか?を考えるとこからスタートしてみましょう。